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| 2008.4.9 |


そばの薬味として辛味大根が流行り始めて10年近くになります。インターネットの園芸サイトにはたくさんの種類が並んでいます。種を取り寄せたところ「辛味を出す栽培の条件」として「肥料と水遣りをできるだけひかえて大根にストレスを感じさせると辛味が増す」と書かれています。大根の辛味成分はワサビやカラシと共通のアリルイソチオシアネート(CH2=CH-CH2-N=C=S)という簡単な化学物質で「からし油」という別名があります。 植物にストレスを与えて「いじめる」と防御反応としてさまざまな植物成分が増加する現象は古くから知られており、実際に収量増加のためにも使われていました。
最近、電気刺激で植物の化学物質が増えるという研究がアメリカ化学会の雑誌に発表されました。朝鮮アサガオのひげ根に弱い電流をあてると植物毒素のヒオスシアニン(光学活性アトロピン)が増えることにヒントを得たアリゾナ大学の研究者がマメ科の植物の種に30ミリアンペアの電流をあてて成分が増えるかどうかを調べました。8種類11成分について平均20倍の増加を認めましたが、とりわけアルファルファによる抗菌フラボノイドのメディカルピンの生産では168倍にもなりました。
実際の応用を考えると、例えば水耕栽培だと簡単に電流刺激ができるし、化学物質を増産させた後、植物をジャブッと溶媒に浸けて有効成分を抽出するという方法が取れるので大変便利だと指摘されています。また、有毒物質でストレスを与えるとなると毒物を与えたり取り去ったりする操作が大変ですが、微弱な電流は植物に無害だし、刺激のオンオフも簡単で実用面でも画期的だというわけです。 ヨモギの一種から取れるアルテミシニック酸(抗マラリヤ薬原料)やムラサキ科植物のシコニン(口紅用色素)など、医薬や化粧品として使われているものが幾つもありますが、含量を高めることができればもっと多くの成分が実用化されるかもしれません。
植物が電流をどのように感知し、代謝パターンを変化させるのか。実用化も含め、ナノテクとも関連した新しい研究分野(「植物ナノ」?)が広がっていく予感がします。(I)
http://www.ebiologynews.com/4170.html |

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