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| 2008.3.21 |


チェサピーク湾はアメリカの主都ワシントンの東に南北に横たわる世界最大の汽水域です。グルメの方はこの湾の名前を聞くとソフトシェル・クラブやブルーポイント・オイスターを思い出して舌なめずりをされることでしょう。
そのチェサピーク湾から採れた菌がいま話題になっています。Saccharophagus degradansと名づけられたその菌は、新聞紙、カニの甲羅、海草などなんでもかでも分解する酵素を作るというのです。もうお気づきでしょうが、この菌がバイオ燃料の脱デンプンを実現に一役買うのではないかと大きな期待が寄せられているのです。 驚いたことに、この菌は20年以上も前にメリーランド大学のワイナー教授が見つけていたそうです。チェサピーク湾で1989年に海藻が大量死したときにその菌が目にとまり、研究を進めたところ、セルロース(新聞紙の主成分)やキチン(カニの甲羅の主成分)のほかに分解しにくい海藻の多糖類を分解するさまざまな酵素を作ることがわかってきました。ホームページで新聞紙が分解される様子のビデオを見ることが出来ますが、1〜2日で形がなくなっています。海藻の形がなくなる写真も別のホームページでみることができます。
幸いなことに、この菌の酵素は死んだ植物の成分しか分解しません。もし生きた植物にも襲い掛かれば木や草はどろどろになってとんでもない混沌になるでしょう。ちょうどシイタケが生きたクヌギで栽培できないのと同じで、生きた植物には何らかの抵抗性のメカニズムが働いていることになります。地球上の生き物の間に働く絶妙な仕組にあらためて驚かされます。 ところでS. degradansと同じような菌のハンティングがその後精力的に行われましたが、2度と見つかっていないそうです。これがまたミステリアスな気分をそそります。
メリーランド大学はザイメティス(Zymetis)社という大学発ベンチャーを設立して、S. degradansの酵素をバイオ燃料生産に応用を始めるとのことです。(I)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/03/09/AR2008030901983_pf.html
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