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| 2008.3.13 |


黄砂で鈍く見える生駒山上の太陽を見ながらワシントンポストをネットで見てい たら、「中国における太陽エネルギー工場の廃棄物の問題」という記事が目に留 まりました。かなり長い記事ですがこの欄におさまるように状況を要約すると次 のとおりです。
「太陽電池に使われているポリシリコン(アモルファス・シリコンと単結晶シリ コンの中間に位置するような材料)の需給関係が逼迫し、価格が過去5年間で15 倍に高騰した(キロ20ドルから300ドル)。中国はそこに目をつけて政府の資金 援助で工場建設を奨励した。その結果20以上の工場が建設され、現在の世界の総 生産量(4万トン)を2倍以上上回る8万トンから10万トンの生産能力になったと 推定される。ところが、先進国と違って、副生する四塩化ケイ素 (SILICON TETRACHLORIDE / SiCl4 )の処理工程が組み込まれておらず、場所によってはそ れを空き地に捨てている。四塩化ケイ素は湿気に触れると分解し、毒性の高い塩 素や塩酸になる。シルクロードの東端、洛陽市郊外のある寒村にも地元住民の期 待で建設されたポリシリコン製造工場ができた。その工場からは、夜な夜な工場 から大音響とともに刺激性のガスが放出され、またトウモロコシ畑と小学校の間 の土地に廃棄物溶液が9ヶ月にわたって投棄され続けた。その結果、植物は枯 れ、土地は雪のように白くなってしまった。輝くような工場施設と対照的に荒涼 とした村の風景が広がっている。」
シリコン(ケイ素)は地球上で一番豊富な元素です。しかしポリシリコンの製造 には厄介な問題が伴います。一つは莫大なエネルギーを消費すること。二つ目は 製造工程で不純物が少しでも混ざるとそのバッチ全体がパーになること。三つ目 は1トンのポリシリコンを製造するとき最低4トンの四塩化ケイ素を含む廃液が出 ること。そして廃棄物のリサイクルには摂氏1800度もの高温に加熱しなければな らないのです。 先進国では廃液処理にコストをかけているのでポリシリコンは1トン8.45万ドル になりますが、中国ではそのコストが引かれるので1トン2万ドルから5.6万ドル だそうです。
「無一物無尽蔵」という言葉があります。中国でのこのような経済活動で、無尽 蔵のシリコンからのクリンエネルギーの代償が「無尽蔵無一物」にならないこと を願うばかりです。 太陽の光を鈍らせる黄砂に四塩化ケイ素由来の毒物が混ざらないことも。(I)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/03/08/AR2008030802595_pf.html |

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