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2008.1.24

◆ nanoteQuiz No.26 日本刀は冶金学を語る

 鍛冶屋が刀をたたき、加熱してさっと水に入れ、再び加熱してゆっくりと冷ます。
これは焼き入れ、焼き戻しというプロセスで、歴史的に古くから行われてきたことですが、これは冶金学で多くのことを語っています。ちなみに「刃(やいば)」の語源はヤキハ(焼き入れをした刃)です。
 通常、金属の温度や加わる圧力をゆっくりと変化させていくと、その条件で構成する原子が最も安定な結合状態をとっていきますが、急な変化などが起こると原子の移動や結合の組み換えが追いつかず、中途半端な状態で落ち着いてしまうことがあります。例えば、この焼き入れもそうで、刀のなかに含まれている微量の炭素が十分に拡散しきる前の準安定な状態に落ち着いてしまいます。この焼き入れによって、刀は硬化します。
 物理学的にいえば、人工的に熱力学的に不安定なやや特殊な状態(熱力学的に準安定な相)を固定化して利用していることになります。産業界を眺めると、焼き入れと同様なプロセスを利用しているものがたくさんあります。 ここで問題。次に挙げるもののうち、熱力学的に準安定な相を得ているプロセスはどれでしょう。

選択肢1 高温高圧の条件をコントロールし黒鉛から人工ダイヤモンドを得る
http://www.astem.or.jp/kyo-nano/cgi-bin/quiz26/quiz.cgi?task=mail&sel_no=1

選択肢2 シランガスを熱分解してアモルファスシリコンを得る
http://www.astem.or.jp/kyo-nano/cgi-bin/quiz26/quiz.cgi?task=mail&sel_no=2

選択肢3 加熱したゼラチン溶液をゆっくり冷却してゼリーを得る
http://www.astem.or.jp/kyo-nano/cgi-bin/quiz26/quiz.cgi?task=mail&sel_no=3

(監修:京都ナノテククラスター研究員/京都大学大学院工学研究科教授 松原英一郎)

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